学習目標:メディカルハーブの基本的な考え方と、自然療法・近代医学との関係を理解する。
メディカルハーブとは
ハーブとは、暮らしに役立てられてきた植物の総称です。日本語では「薬草」や「香草」と訳され、料理をはじめ、日常生活のさまざまな場面で利用されています。
そのなかでも、植物に含まれる成分を健康維持に役立てようとする分野がメディカルハーブです。「メディカルハーブ」という言葉は、この分野だけでなく、そこで用いられる薬用植物そのものを指す場合もあります。
自然療法の考え方
近代医学以外の、主に伝統的な療法は代替療法と呼ばれます。その多くに共通するのは、人が本来備えている自然治癒力を、健康管理や病気の予防・治療に生かそうとする考え方です。このような考え方を自然療法(ナチュロパシー)といい、メディカルハーブもその一分野に位置づけられます。
自然療法では、健康を単に病気がない状態とは捉えません。心を含めた人全体のバランスが保たれている状態を健康と考え、バランスが崩れそうになったときに元の調和した状態へ戻そうとする力を自然治癒力と捉えます。人を部分だけでなく全体的、つまりホリスティックに見ることが大切です。
植物と人との関係は古くから続いてきました。メディカルハーブは、この長い関わりを背景に持つ自然療法の一つです。
メディカルハーブと近代医学
自然療法が心身全体のバランスに目を向けるのに対し、近代医学は病気の原因や病んでいる部位へ働きかけます。薬の構成にも違いがあり、近代医学の医薬品は単一成分、メディカルハーブは多くの成分を含むものとして対比できます。
メディカルハーブでは、多くの成分が一点だけでなく全身へ働き、互いにバランスを取りながら穏やかに作用すると考えます。また、含まれる成分量は医薬品より格段に少ないため、有害作用の心配がないと説明されています。ただし、この比較だけから、個々のハーブやあらゆる使い方の安全性が保証されるわけではありません。
両者の特徴は、見方を変えれば長所にも短所にもなります。どちらか一方だけが優れているのではなく、異なる特徴を持っていると整理しましょう。さらに、薬用植物から有効な成分を取り出し、その成分を人工的に合成して医薬品が生まれたという歴史をたどると、メディカルハーブと近代医学の医薬品にはつながりがあることも分かります。