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メディカルハーブの歴史①|古代の植物利用から大航海時代まで

学習目標:古代から近世にかけて、植物利用の知識がどのように受け継がれ、発展したかを理解する。

植物利用の起源と古代文明

薬用植物と人類の関係は、人類の誕生とともに始まったのかもしれません。文字が生まれるより前から、人々は身近な植物を食べたり塗ったりし、その経験から植物の働きを知って、互いに伝えていたと考えられます。

古代文明の時代になると、植物利用の記録が各地に現れます。紀元前1700年頃の古代エジプトのパピルス文書には、アロエなど約700種類のハーブが記され、うがい薬や湿布などに使われたとされています。紀元前1000年頃にまとめられたアーユルヴェーダの書物にも、数百種類の薬用植物が記載されています。

古代ギリシアでは、薬草による治療が体系化された医学としての性格を帯びていきます。紀元前400年頃、ヒポクラテスは体液病理説に基づいて約400種類のハーブの処方をまとめ、現在でいう芳香浴の効能にも言及したとされています。

体液病理説では、血液・黒胆汁・黄胆汁・粘液という4種類の体液のバランスが崩れると病気が起こると考えます。陰陽五行論では陰陽と木・火・土・金・水の五行、アーユルヴェーダでは3つの体質の調和を重視します。地域ごとに理論は異なりますが、いずれもバランスの回復を治療へ結びつけている点を押さえましょう。

古代から中世へ受け継がれた知識

1世紀頃、ディオスコリデスは『薬物誌』を著しました。この書物には薬効のある植物が約600種類取り上げられ、ヨーロッパでは16世紀まで薬のバイブル的な存在だったとされています。180年頃には、ローマの医師ガレノスが500種類以上のハーブを使い、多くの水薬を作りました。同じ頃の中国では、漢方の基本となった本草書『神農本草経』が漢代にまとめられています。

古代ギリシアからローマへ続いた医学の知識は、アラビアを経て中世ヨーロッパへ伝えられました。10世紀のペルシアの医師アビケンナ(イブン・シーナ)は、錬金術の技術をもとに蒸留方法を確立し、植物から精油を蒸留したとされています。この蒸留技術は、現在のアロマテラピーの基礎へつながる出来事として位置づけられます。

大航海時代とハーバリスト

15世紀から17世紀半ばにかけての大航海時代には、ポルトガルやスペインの船がヨーロッパ、新大陸、東洋の間を行き来し、多くのスパイスやハーブがヨーロッパへ持ち込まれました。植物が地域を越えて移動したことは、植物療法の発展と広がりに重要な役割を果たしました。

エキナセアも新大陸からヨーロッパへ伝わり、メディカルハーブとして広く利用されるようになりました。また、この時代には植物療法の専門家であるハーバリストが活躍し、イギリスではターナー、カルペッパー、ジェラード、パーキンソンなどが知られています。

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