アロマテラピーを楽しむうえでは、精油の原料となる植物や地球環境の現状について理解することが重要です。環境問題が深刻化する中で、個人としてできることを考えていきましょう。
1. 植物の恵みと地球環境
精油は植物から得られる貴重な恵みであり、その背景には土壌、大気、水、生態系などの自然環境が密接に関わっています。
現在直面している課題
-
気候変動: 地球温暖化 による異常気象や植物の生育環境の悪化。
-
汚染問題: 酸性雨などが植物に与える直接的なダメージ。
-
社会情勢: アフリカや中東地域での人口増加や紛争に伴う自然破壊。
-
資源の枯渇: 需要の急増による原料植物の乱獲。
【 Message 】
精油を通じて環境問題への理解を深め、自然保護への意識を高めることが重要です。
2. 精油の原産地が抱える問題
精油の原料植物の中には、乱伐や過剰利用により絶滅の危機にあるものが存在します。
現状と規制
-
レッドリスト: IUCN(国際自然保護連合)により絶滅の恐れがある種(絶滅危惧種)4万2,100種以上が掲載(2023年時点)。
-
国際条約: ワシントン条約により、絶滅の恐れがある種の国際取引が制限・禁止されています。
-
採取による負荷: 樹脂採取などのために樹木そのものが衰弱するケース。
-
保護の動き: 各国による伐採・輸出規制や、計画的なプランテーション化。
事例:サンダルウッド(白檀)
インド産が高品質とされ、古くから宗教儀式などに利用されてきましたが、現在は非常に厳格な保護対象となっています。
-
管理: インド政府(環境森林気候変動省)が伐採を直接管理。
-
義務: 伐採後の植樹が法律で義務付けられています。
-
流通: 輸出規制が極めて厳しく制限されています。
3. 未来のアロマ環境を守るために
日々の選択を通じて、私たちが環境保護に貢献できる行動があります。
具体的アクション
-
無駄を減らす: 物を大切に使い、廃棄を減らす。
-
育てる: 自ら植物を育てることで自然への理解を深める。
-
学ぶ: 精油の背景にある植物の現状を知る。
-
選ぶ: 希少種の代わりに、代替となる精油を選択する。
-
持続可能性: 枝葉など、植物を枯らさず持続可能な部位から抽出された精油を利用する。
【 視点 】
絶滅が危惧されるからといって利用を控えるのではなく、計画的に管理された農園の製品を利用することで、現地の経済支援や、結果的な植物保護にもつながるという考え方もある。
4. 香育(こういく)
子どもたちに向けた香りの体験教育です。
-
目的: 嗅覚を通じて感性や発想力を育てるとともに、人と植物、自然環境の関係を学びます。
-
コンセプト: AEAJ(日本アロマ環境協会)が主体となって、「アロマ環境」と名付けた「自然の香りある豊かな環境」を保全・創造・活用し、そのことを通じて人と自然の共存を目指します。
5. 環境への取り組み(AEAJ)
環境意識向上のために、以下のような活動が行われています。
-
環境カオリスタ検定: 身近な環境問題と植物の関わりを学ぶ検定。
-
まちづくり支援: 環境省主催「みどり香るまちづくり企画コンテスト」の共催。
-
緑化推進: 香りのある樹木や草花を活用したまちづくり企画への苗木提供。