エステル類は、アルコール類またはフェノール類とカルボン酸類が反応してできる成分です。構造上の目印はエステル結合(-COO-)です。
エステルができる反応
カルボン酸類とアルコール類が反応すると、HとOHが水として外れる脱水反応が起こり、エステルと水ができます。この反応をエステル化といいます。
エステル類は、脂肪族エステル類と芳香族エステル類に分けられます。芳香族エステル類はベンゼン環を含みます。
香りと揮発性
エステル類はアルコール類ほど揮発性が高くありませんが、低濃度でも香りを強く感じられるものがあります。名称は「~イル」「~エート」「~エステル」で終わる傾向があります。
主なエステル類
| まとまり | 概要 | 代表成分・香り | 代表的な精油 |
|---|---|---|---|
| アンゲリカ酸エステル類 | アンゲリカ酸とアルコールからなる脂肪族エステル | ハーバルでスパイシー、土を思わせる香り | ローマンカモミール |
| 安息香酸エステル類 | 安息香酸とアルコールからなる芳香族エステル | 安息香酸メチル・安息香酸エチル。甘いフローラル、果実様の香り | イランイラン、チュベローズなど |
| 酢酸エステル類 | 酢酸とアルコールからなる脂肪族エステル | 酢酸リナリル、酢酸ベンジル。甘い果実様の香り | クラリセージ、ネロリ、ベルガモット、ラベンダー |
| ケイ皮酸エステル類 | ケイ皮酸とアルコールからなる芳香族エステル | ケイ皮酸エチル・ケイ皮酸メチル。果実様、バルサム様の香り | ベンゾイン(レジノイド) |
水分による加水分解
エステル結合は水によって切断され、カルボン酸とアルコールに分かれることがあります。これが加水分解です。エステル類を含む精油は、水分の混入と多湿を避けて保管します。
学習のつながり
エステル類では、生成時には脱水反応、分解時には加水分解が関わります。「アルコール+カルボン酸 → エステル+水」と、その逆方向の関係を結びつけると理解しやすくなります。