精油は、植物の外から取り入れているものではありません。植物が生命を維持するために行う代謝を土台として、植物の中で作られます。
精油が生まれるまでには、光合成から続く植物の代謝が関わっています。作られた精油は植物全体へ均一に広がるのではなく、特定の細胞で作られ、それぞれの部位に蓄えられます。
光合成から始まる一次代謝
植物は光合成によって、二酸化炭素と水から、酸素と生命維持に欠かせない炭水化物を合成します。この過程を一次代謝といいます。
ここで作られる炭水化物は、植物がさらに別の物質を作り出すための土台にもなります。
🟣専門インストラクターでは、植物が光合成によって酸素、炭水化物、アミノ酸などを合成する過程を一次代謝と説明しています。また、そこで合成された成分を一次代謝産物と呼びます。
二次代謝で精油が作られる
植物は、一次代謝で作った物質から、さらにさまざまな有機化合物を作り出します。この過程が二次代謝です。
精油も二次代謝の過程で生成されるため、二次代謝産物の一つです。
光合成から精油の生成までの関係は、次のように表せます。
二酸化炭素と水
→ 光合成・一次代謝
→ 酸素と炭水化物
→ 二次代謝
→ さまざまな有機化合物(精油を含む)
精油は植物の生命活動と切り離されたものではなく、植物が行う一連の代謝の中で生まれる物質です。
精油は植物全体に均一にあるわけではない
植物の中で作られた精油は、植物全体に同じように含まれているわけではありません。特定の細胞で作られ、それぞれの部位に蓄えられます。
たとえば、ペパーミントでは葉の表面近く、オレンジでは果皮の内部に精油が蓄えられます。精油が蓄えられる場所は植物によって異なり、精油を取り出す部位もそれぞれ異なります。
(なお、花、葉、果皮、根などの部位が植物の中で担う役割と、そこから得られる精油の特徴は、植物の部位と精油で詳しく学びます。)
精油を作り、蓄え、分泌する油細胞 🟣専門
植物で精油の生成・貯蔵・分泌を担う細胞を、油細胞といいます。
油細胞は、植物や存在する場所によって呼び方が異なる場合があります。
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シソ科植物の葉の表面など:油胞
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ミカン科植物の果皮など:油嚢または油房
また、針葉樹などでは、油細胞が細長く伸びた形をしています。精油を蓄える構造は、どの植物でも同じ形をしているわけではありません。
検定で学ぶ「特定の細胞で作られ、部位に蓄えられる」という説明を、専門では油細胞という具体的な構造まで掘り下げて学びます。
精油を学ぶときに区別したい3つのこと
精油の生成、貯蔵・分泌、抽出は、それぞれ内容と主体が異なります。
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生成:植物の二次代謝によって精油が作られる
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貯蔵・分泌:植物では、油細胞が精油の生成・貯蔵・分泌を担う
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抽出:人が、精油の蓄えられた植物の部位から適した方法で取り出す
どの植物部位から精油を得るのかは植物の部位と精油で、植物から精油を取り出す方法は精油の抽出法で詳しく扱っています。
精油の定義や4つの性質は、精油(エッセンシャルオイル)の基礎知識から学べます。