精油は、植物の香り成分を高濃度に含んでいます。心地よくアロマテラピーを楽しむためには、使用量や取り扱い方を守り、皮膚・口・目に入ったときの対応も知っておくことが大切です。
このページでは、精油を扱うときの基本ルールと、トラブルが起きたときの初期対応を説明します。
精油を安全に使う5つの基本ルール
1.原液を直接皮膚につけない
精油の原液は刺激が強いため、皮膚へ使用するときは必ず希釈します。肌に使う場合は、指定された希釈濃度と使用量を守りましょう。
精油は、量が多いほどよいわけではありません。使いすぎや高濃度での使用は、思わぬ肌トラブルにつながる可能性があります。
2.精油を飲用しない
AEAJは、一般的な精油について、次の使い方をすすめていません。
- 精油を飲む
- 食品と一緒に摂取する
- うがいに使う
日本では、一般的な精油は医薬品や食品ではなく「雑品」として扱われると、公式テキストでは説明されています。
3.精油を目に入れない
目は皮膚よりもデリケートな部位です。精油を目に入れないことはもちろん、精油がついた手で目をこすらないようにします。
4.火気に注意する
精油には引火性があります。キッチンなど火気を扱う場所で、精油を使って手作り化粧品などを作る場合は、火元に十分注意してください。
5.子どもやペットの手が届かない場所に置く
精油の誤飲などを防ぐため、子どもやペットの手が届かない場所に保管します。
精油によって起こりうるトラブル 🟣専門
精油の使用によって起こりうるトラブルには、皮膚や粘膜への刺激、アレルギー性反応、体内へ取り込まれた成分による毒性作用などがあります。
| トラブル | 概要 | 現れる可能性のある症状・影響 |
|---|---|---|
| 皮膚刺激 | 精油成分によって皮膚に炎症が生じること | 紅斑、発疹、かゆみなど |
| 粘膜刺激 | 目・口・鼻・消化器・呼吸器・排泄器などの粘膜に刺激が生じること | 熱さ、痛み、焼けるような感覚など |
| 皮膚感作 | 精油との皮膚接触後に起こるアレルギー性反応 | 再び接触したときの発疹など |
| 経口毒性 | 経口摂取した精油中の化学物質が体内へ回り、毒性作用を起こす可能性 | 全身への影響 |
| 経皮毒性 | 皮膚から吸収された精油中の化学物質が体内へ回り、毒性作用を起こす可能性 | 全身への影響 |
皮膚感作が成立すると、その後は少量の精油でも反応が現れやすくなることがあります。皮膚刺激と光毒性の違いや注意が必要な精油は、使い方に注意が必要な精油で確認できます。一般的な精油を口に入れない理由は、精油を飲用しない理由で詳しく説明しています。
トラブルが起きたときの対応
精油が皮膚・口・目に触れたときは、触れた部位と状態によって対応が異なります。次の初期対応を行い、必要な場合は医療機関を受診してください。
原液が皮膚についた場合
- 速やかに、清潔な大量の流水でよく洗い流します。
- 赤み、刺激、発疹などがみられた場合は、医療機関を受診します。
精油は水に溶けにくい性質があります。それでも流水には、付着した精油を物理的に取り去りやすく、手近ですぐ利用できるという利点があります。そのため、最初の対応として、まず清潔な大量の流水で洗い流します。
口に入った場合・飲み込んだ場合
精油が誤って口の中に入った場合は、大量の水ですすぎます。
飲み込んでしまった場合は、次のように対応します。
- 吐かせない。
- すぐに医師の診察を受ける。
- 受診時に、誤飲した精油のビンを持参する。
目に入った場合
- 清潔な大量の流水で洗い流します。
- 決して目をこすりません。
- 速やかに医療機関を受診します。
誤飲事故について相談したい場合
実際に精油を誤飲した場合は、公益財団法人日本中毒情報センターの中毒110番へ相談できます。一般専用電話は365日・24時間対応です。
- 大阪中毒110番:072-727-2499
- つくば中毒110番:029-852-9999
電話番号や受付情報は変更される可能性があるため、日本中毒情報センター「中毒110番・電話サービス」でも最新情報を確認してください。
施術やイベントで肌トラブルが起きた場合
サロンでのアロマトリートメントにより利用者に肌トラブルが起きた場合は、まず医療機関の受診をすすめます。
ボランティアやイベントでアロマテラピーを行う場合は、事前に参加者から同意書を得ておくことも大切です。
アロマテラピー保険(アロマテラピー賠償責任補償制度)
AEAJでは、アロマテラピー活動にかかわるさまざまなリスクに備える補償制度を案内しています。制度の対象や補償内容など、最新の情報はAEAJ公式サイトで確認してください。
AEAJ「アロマテラピー保険(アロマテラピー賠償責任補償制度)」
事業者として精油を扱う場合はSDSを確認する
安全データシート(SDS)は、化学物質やそれを含む混合物を譲渡・提供する際に、物理化学的性質、危険性・有害性、取り扱いに関する情報を相手方へ伝えるための文書です。
SDSには、化学物質の名称や性質のほか、危険性・有害性、ばく露した際の応急措置、取扱方法、保管方法、廃棄方法などが記載されます。精油は揮発性があり、引火するおそれもあります。事業者として精油を取り扱う場合は、その製品のSDSを確認し、トラブルが起きたときも記載された応急措置に基づいて対応します。
SDSの交付義務は、対象となる化学物質や取引条件によって異なります。制度の詳細は、厚生労働省「化学物質対策に関するQ&A(ラベル・SDS関係)」で確認できます。
検定で押さえたいポイント
- 精油の原液は刺激が強いため、皮膚へ使用するときは希釈する。
- 精油は、飲用・食品との同時摂取・うがいには使用しない。
- 精油には引火性があるため、火気に注意する。
- 原液が皮膚についた場合は、清潔な大量の流水で洗い流し、異常があれば医療機関を受診する。
- 飲み込んだ場合は吐かせず、精油のビンを持参して医師の診察を受ける。
- 目に入った場合は清潔な大量の流水で洗い流し、目をこすらず、速やかに医療機関を受診する。
- 皮膚刺激と皮膚感作は異なり、皮膚感作はアレルギー性反応である。
- 事業者として精油を扱う場合は、製品のSDSを確認する。
まとめ
精油を安全に使う基本は、原液を皮膚につけない、飲用しない、目に入れないことです。また、火気に注意し、子どもやペットの手が届かない場所に置きます。
万一のときは、皮膚・口・目のどこに触れたかを確認して初期対応を行います。特に、飲み込んだときに吐かせないこと、目に入ったときにこすらないことを覚えておきましょう。