アロマテラピーの事業では、商品やサービスの内容だけでなく、どの方法で契約するか、顧客情報をどう扱うか、発信に使う素材を誰が作ったかも確認する必要があります。
| 行為 | 主に関係する法律 | 基本原則 |
|---|---|---|
| 通信販売や訪問販売を行う | 特定商取引法 | 取引方法に合う表示・勧誘・解約ルールを守る |
| 顧客情報を集めて利用する | 個人情報保護法 | 利用目的を明らかにし、安全に管理する |
| 写真や文章を発信に使う | 著作権法 | 自作か、利用する権限のある素材を使う |
これは三つの法律を見分けるための基本的な整理です。実際の適用条件や例外は、取引方法、情報の扱い方、素材の利用方法によって変わります。商品の欠陥、広告表示、精油等の保管は販売・広告・保管に関する法律、身体への効果をうたう表示や化粧品の製造・販売は精油の表示・製造と薬機法で説明しています。
販売方法によって契約ルールが変わる
特定商取引法は、訪問販売、通信販売、電話勧誘販売など、消費者トラブルが生じやすい取引類型について、事業者が守るべき表示・勧誘等のルールと消費者を保護する仕組みを定めています。同じ商品でも、店舗で販売するか、ウェブサイトで申込みを受けるか、消費者宅を訪問して契約するかによって適用されるルールが異なります。
ウェブサイトやSNSから注文を受ける通信販売では、販売価格、送料、支払時期・方法、商品の引渡時期、返品・解約条件、事業者の名称・住所・電話番号など、法定事項を分かりやすく表示します。申込みの最終確認画面にも、注文内容や価格などの必要事項を表示するルールがあります。
クーリング・オフはすべての販売方法に共通する制度ではありません。訪問販売や電話勧誘販売などには法定のクーリング・オフ制度がありますが、通信販売には原則としてクーリング・オフ制度がありません。通信販売では返品特約の表示など、通信販売に適用される規則を確認します。
顧客情報は目的を明らかにして管理する
予約表、申込フォーム、顧客名簿、配送先、メールアドレスなどを事業で扱うときは、個人情報保護法との関係を確認します。個人事業主でも、個人情報データベース等を事業に利用すれば個人情報取扱事業者に当たり得ます。
個人情報を取得するときは、何に使うのかをできる限り具体的に特定し、本人へ通知または公表して、その範囲内で利用します。個人データは漏えい、紛失、毀損などを防ぐために安全に管理し、従業者や委託先も適切に監督します。
第三者への提供は本人の事前同意が原則ですが、法令に基づく場合などの例外や、委託など第三者提供に当たらない扱いもあります。そのため、「顧客情報は一切第三者へ渡せない」と覚えるのではなく、提供の目的、相手、本人同意の有無、例外や委託への該当性を確認します。
写真や文章は利用する権限を確認する
ホームページやSNSで写真、イラスト、文章、動画を使う場合は、著作権に注意します。インターネットで見つけた画像、企業サイトの写真、書籍や雑誌のページを撮影した画像は、公開されているから自由に転載できるわけではありません。
基本となるのは、次のいずれかを確認してから利用することです。
- 自分で作成・撮影した素材である
- 権利者から利用の許諾を得ている
- ストックフォト等の利用条件に従っている
- 法律上、許諾なく利用できる条件を満たしている
引用など、許諾なく利用できる場合にも法律上の要件があります。「出典を書けば自由に使える」とは限りません。また、顧客や講座参加者が写った写真では、著作権とは別に個人情報や肖像・プライバシーへの配慮も必要です。
事業を始める前の確認
契約と情報管理の仕組みは、発信や販売を始める前に準備します。
- 契約方法:店舗、通信販売、訪問販売など、どの取引類型に当たるか。
- 販売表示:価格、送料、支払・引渡時期、返品・解約条件、事業者情報を適切に示しているか。
- 顧客情報:利用目的、保管方法、アクセスできる人、委託先、第三者提供のルールが決まっているか。
- 発信素材:写真、文章、動画を利用する権限と利用条件を確認したか。
取引方法や情報の利用方法が変われば、必要な表示や管理も変わります。特定商取引法は消費者庁の特定商取引法ガイド、個人情報は個人情報保護委員会、著作権は文化庁の案内で最新情報を確認します。