同じ種類の植物でありながら、得られる精油の構成成分が大きく異なることがあります。このような違いをもつものをケモタイプ(化学種)といいます。
ケモタイプはすべての植物に存在するわけではありません。代表的な例がローズマリーで、精油に多く含まれる成分の違いから、ローズマリー・カンファー、ローズマリー・シネオール、ローズマリー・ベルベノンという3つのタイプがあります。
同じ植物種でも成分が異なる
ケモタイプは、分類学上は同じ植物種でありながら、二次代謝産物の中のある成分が化学的に異なるものです。
つまり、植物としては同じ種に分類され、学名も同じですが、そこから得られる精油の成分構成には違いがあります。成分構成が異なると、それぞれの精油がもつ香りや作用も異なります。
「同じ種」や「同じ学名」が何を意味するかは、植物の分類と学名で扱っています。
ローズマリーに見られる3つのケモタイプ
ローズマリーには、次の3つのケモタイプがあります。
| ケモタイプ | 成分構成の特徴 |
|---|---|
| ローズマリー・カンファー | 1,8-シネオールとカンファーをほぼ同じ程度含む |
| ローズマリー・シネオール | 1,8-シネオールを特に多く含む |
| ローズマリー・ベルベノン | 1,8-シネオールが少なく、カンファーとベルベノンをほぼ同じ程度含む |
3つは同じローズマリーに由来しますが、1,8-シネオール、カンファー、ベルベノンの構成が異なります。成分構成の違いに伴い、香りにも違いが現れます。
ケモタイプが生じる要因 🟣専門
ケモタイプは、突然変異や交雑などの遺伝的要素によって生じます。
一方、精油は土壌や天候などの生育条件によっても、成分の種類・割合や香りが変動します。こうした産地・生育条件による変動と、遺伝的要素によって生じるケモタイプは、分けて考える必要があります。
ケモタイプ精油の名前 🟣専門
ケモタイプから得られた精油は、精油名の後ろに多く含まれる成分を記すのが一般的です。
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ローズマリー・シネオール
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ローズマリー・カンファー
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ローズマリー・ベルベノン
この表し方によって、同じ植物種から得られた精油のうち、どのケモタイプであるかを区別できます。
ケモタイプは、同じ植物名だけでは分からない精油の成分構成の違いを示すものです。精油名に付けられたケモタイプ名まで見ることで、同じ植物種から得られる精油の違いを読み取れます。