超臨界流体抽出法は、気体と液体の中間状態(超臨界状態)となった流体の高い浸透性と溶解力を利用して、香り成分を抽出する方法です。
溶剤としては主に二酸化炭素(CO2)が用いられます。1970年頃から登場した比較的新しい抽出技術です。
1. 抽出のプロセス
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流体の生成:溶剤となる二酸化炭素に熱と圧力をかけ、超臨界状態(気体でも液体でもない状態)にします。
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浸透・溶解:超臨界流体を、原料植物を入れた抽出器の中に通過させます。流体が植物の組織に瞬時に浸透し、香り成分を溶解・抽出します。
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回収:成分を含んだ流体を回収し、圧力を下げて常圧に戻します。
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仕上げ:圧力が下がると二酸化炭素がすぐに気化するため、後に香り成分を含む抽出物のみが残ります。
2. 抽出される生成物
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精油
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溶剤を残さずに得られる芳香成分です。
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成分のバランスが植物本来の形に最も近くなります。
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3. 手法の特徴と適性
メリット
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低温抽出が可能:比較的低温(主に常温から30度台)で処理できるため、熱による成分変化が少なく済みます。
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高品質な香り:植物が本来持つ自然の香りに最も近い状態を再現できます。
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高い安全性:気化しやすい二酸化炭素を用いるため、揮発性有機溶剤抽出法のように溶剤が不純物として残留しません。
デメリット・注意点
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特殊で高価な装置が必要となるためコストがかかります。
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そのため、水蒸気蒸留法などに比べると一般的な抽出法ではありません。
