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炭化水素類|モノテルペンとセスキテルペン

炭化水素類は、炭素と水素からなり、官能基をもたない精油成分です。精油では、モノテルペン炭化水素類とセスキテルペン炭化水素類が代表的です。

二つの違いは、骨格をつくるイソプレン単位の数です。この違いが分子の大きさや揮発性に関わり、香りの立ち方や持続の仕方にもつながります。

炭化水素類には官能基がない

精油成分は官能基によって分類できますが、炭化水素類には官能基がありません。炭素と水素だけでできた骨格そのものを分類します。

炭素間に二重結合などをもつ不飽和化合物では、成分名が「~エン」で終わる傾向があります。炭素間が飽和結合でつながる成分では、「~アン」で終わる傾向があります。ただし、名称の語尾だけで判断せず、実際の構造とあわせて確認することが基本です。

モノテルペンとセスキテルペンの違い

比較モノテルペン炭化水素類セスキテルペン炭化水素類
イソプレン単位2個3個
骨格の基本的な大きさ比較的小さいモノテルペンより大きい
揮発性高いモノテルペンほど高くない
香りの時間的な傾向早く立ち上がりやすいより長く残りやすい
芳香成分の例α-ピネン、リモネンβ-カリオフィレン、α-パチュレン、β-パチュレン

モノテルペン炭化水素類は揮発性が高く、香料ではトップノートに使われます。セスキテルペン炭化水素類は分子量が大きい分、揮発性がそれほど高くなく、ミドルノートやベースノートに向くと説明されます。

ここでいうトップ、ミドル、ベースは、香りが現れる時間的な傾向です。成分類そのものをノートだけで決めるわけではありません。

炭化水素類は酸化に注意する

炭化水素類は酸化しやすい性質があります。酸化は、空気中の酸素、光、熱などの影響を受けて進みます。成分が酸化すると香りが変わり、成分によっては刺激につながる可能性もあります。

使用後に容器のふたを速やかに閉め、直射日光や高温を避けるという保管の基本は、揮発と酸化を抑えることにつながります。とくに開封後は、香りの変化にも注意します。

代表成分:α-ピネン

α-ピネンは、モノテルペン炭化水素類の代表成分です。無色透明の液体で、揮発性が高く、松葉や松脂を思わせる要素をもつ、シャープでフレッシュなグリーンウッディ調の香りです。化学式はC₁₀H₁₆です。

代表的な精油には、サイプレス、ジュニパーベリー、ネロリ、ブラックペッパー、フランキンセンス、ミルラ、ユーカリがあります。

α-ピネンの性状や含有精油は、α-ピネンの個別ページで詳しく確認できます。

代表成分:リモネン

リモネンも、モノテルペン炭化水素類の代表成分です。無色の液体で揮発性が高く、オレンジやレモンを思わせる、シトラス様のフレッシュな香りがあります。化学式はC₁₀H₁₆です。

二重結合を含むため酸化しやすく、酸化すると皮膚刺激を生じる可能性があります。代表的な精油には、グレープフルーツ、スイートオレンジ、ネロリ、ブラックペッパー、フランキンセンス、ベルガモット、レモンがあります。

リモネンの作用や含有精油は、リモネンの個別ページで詳しく確認できます。

セスキテルペン炭化水素類の代表例

β-カリオフィレンは、セスキテルペン炭化水素類の代表例です。イランイランなどに含まれます。詳しい香りや含有精油は、β-カリオフィレンの個別ページで確認できます。

α-パチュレンとβ-パチュレンも、セスキテルペン炭化水素類の例です。

覚える軸は「2個」と「3個」

  • モノテルペン炭化水素類は、イソプレン単位2個で、揮発性が高い
  • セスキテルペン炭化水素類は、イソプレン単位3個で、モノテルペンより揮発性が低い
  • どちらも官能基をもたず、酸化しやすさに注意する

まずイソプレン単位の数と揮発性の違いを押さえ、そこへα-ピネン、リモネン、β-カリオフィレンなどの代表成分を結びつけると整理しやすくなります。

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