← 基礎知識一覧へ戻る

圧搾法|かんきつ類の果皮から精油を得る方法

圧搾法|かんきつ類の果皮から精油を得る方法の写真

圧搾法は、主にレモンやスイートオレンジなど、かんきつ類の果皮から精油を取り出す方法です。果皮を搾り、精油と水分を分けて回収します。

熱を加えずに抽出するため、原料植物に近い香りや色を得られる一方、搾りかすなどの不純物が混入することや、ほかの方法で得た精油より劣化しやすいことに注意が必要です。

果皮を搾り、遠心法で水分を分ける

かんきつ類の精油は、主に果皮に含まれています。昔は果皮を手でむいて搾り、スポンジに吸わせて精油を回収していました。

現在の基本的な工程は次のとおりです。

  1. 原料(果皮など)を機械のローラーで圧搾する
  2. 得られた液体を遠心法にかける
  3. 水分と精油を分離する

熱を加えずに原料を搾ることから、圧搾法は低温圧搾、コールドプレスとも呼ばれます。

原料に近い香りや色が得られる

圧搾法では熱による成分変化がほとんどないため、原料植物に近い香りや色を得られます。かんきつ類らしい香りをそのまま取り出しやすいことが、この方法の特徴です。

一方、原料を直接搾るため、搾りかすなどの不純物が混入することがあります。また、化学変化しやすい成分を多く含むため、ほかの抽出法で得られた精油より劣化しやすい特徴があります。

近年では、かんきつ類の精油を水蒸気蒸留法で抽出することもあります。同じ植物でも、圧搾するか蒸留するかによって、精油へ移る成分が変わります。

圧搾精油と光毒性成分 🟣専門

圧搾法で得られたかんきつ類の精油は、ほかの方法で得られた精油より、光毒性を引き起こす成分を含みやすいことがあります。

光毒性に関わるフロクマリン類の代表例がベルガプテンです。IFRA(国際香粧品香料協会)の基準として、ベルガプテンが15mg/kg(ppm)以下なら安全としています。この数値は精油全体の無条件な安全保証を意味するものではありません。 (参考)IFRA Standards【外部サイト】

フロクマリンフリー精油 🟣専門

フロクマリンフリーと呼ばれる精油は、一般に、圧搾法で得た精油に水を加え、もう一度水蒸気蒸留を行ってフロクマリン類を除いたものです。

フロクマリン類を除く操作を脱フロクマリン工程といいます。圧搾法で得たベルガモット精油からフロクマリン類を除いたものは、ベルガモットFCF(フロクマリンフリー)精油と表示されます。

分別蒸留と脱テルペン工程 🟣専門

分別蒸留(分留)は、成分ごとの沸点の違いを利用し、液体の混合物を成分別に分ける操作です。使用上・保存上の理由から、炭化水素類の一部を除くために用いられる場合があります。

ただし、一部の成分を除けば、精油全体の成分比率も変わります。元の精油から特定成分だけを取り除いても、残りの構成がそのまま保たれるわけではありません。

分別蒸留によって炭化水素類の一部を除く操作は脱テルペン工程と呼ばれます。炭化水素類を含む精油で起こりやすい酸化や重合などの成分変化へ対応するために行われることがありますが、アロマテラピー用精油では一般的ではありません。

まとめ

  • 圧搾法は、主にかんきつ類の果皮から精油を得る方法です。
  • 機械で圧搾した後、遠心法によって水分と精油を分けます。
  • 熱による変化がほとんどなく、原料に近い香りや色が得られます。
  • 不純物が混入することがあり、ほかの方法で得た精油より劣化しやすい特徴があります。
  • 🟣専門光毒性成分、フロクマリンフリー、分別蒸留、脱フロクマリン、脱テルペンを区別します。

抽出法全体の位置づけは、精油の抽出法で比較できます。蒸気で香り成分を取り出す方法は水蒸気蒸留法で、溶剤を使う方法は揮発性有機溶剤抽出法で詳しく学べます。

読み込み中...

※当サイトはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を利用しています。