アロマテラピーには、香りを空間へ広げる方法、湯や蒸気を使う方法、精油を希釈して肌へ使う方法があります。利用法によって、精油を届ける場所、必要な材料、使用量、安全上の注意が異なります。
まず「どこで、どのように使うか」を見分けると、7つの利用法の違いを理解しやすくなります。
7つの利用法を比べる
| 利用法 | どのように使うか | 主に使うもの | 各論で学ぶこと |
|---|---|---|---|
| 芳香浴法 | 精油を空間へ拡散し、香りを楽しむ | ティッシュ、コットン、湯、芳香拡散器など | 3つの実践方法、使用量、換気や置き場所 |
| アロマスプレー | 精油を無水エタノールと水で調製し、場所や用途に合わせて使う | 精油、無水エタノール、水、スプレー容器 | 材料、混ぜる順序、使用前の振り混ぜ、肌への付着に関する注意 |
| 沐浴法 | 精油の香りとともに全身または身体の一部を湯に浸す | 湯、精油、無水エタノール | 全身浴・半身浴・手浴・足浴の違いと、アロマバスの素材 |
| 吸入法 | 精油の香りを蒸気とともに鼻や口から吸い込む | 熱湯、マグカップや洗面器など | 蒸気を用いる方法と、目・粘膜・咳への注意 |
| フェイシャルスチーム | 精油成分を含む蒸気を顔に当てる | 熱湯、洗面器、タオル | 顔へ蒸気を当てる方法、温度と蒸気量の調節 |
| 湿布法 | 温めた、または冷やしたタオルなどを身体の一部へ当てる | 湯または水、タオル、洗面器 | 温湿布と冷湿布の使い分け、刺激ややけどへの注意 |
| トリートメント法 | 精油を植物油で希釈したトリートメントオイルを肌へ使う | 精油、植物油、調製用具 | オイルの作り方と、ハンド・フットトリートメント |
使う場所と方法から選ぶ
香りを空間で楽しむ
芳香浴法は、精油を拡散して香りを楽しむ方法です。アロマスプレーも場所や用途に合わせて香りを広げられますが、精油を無水エタノールと水で調製して使う点が異なります。
湯に身体を浸す
沐浴法は、精油の香りとともに全身浴または部分浴をする方法です。全身浴・半身浴・手浴・足浴があり、入浴による温熱効果とリラクセーション効果の相乗作用が期待されます。天然塩、重曹、ハチミツを使うアロマバスも、このまとまりで学びます。
蒸気を吸い込む、または顔に当てる
吸入法とフェイシャルスチームは、どちらも精油を加えた湯から立ち上る蒸気を使います。吸入法では香りを鼻や口から吸い込み、フェイシャルスチームでは蒸気を顔へ当てます。目的は異なりますが、目を閉じること、むせないようにすること、やけどや長時間の使用に注意することは共通しています。
タオルを身体の一部へ当てる
湿布法では、温めたタオルまたは冷やしたタオルなどを身体の一部へ当てます。温湿布と冷湿布では用途が異なるため、温度だけでなく、どのような目的で使い分けるかを区別します。
希釈したオイルを肌へ使う
トリートメント法では、精油を植物油で希釈したトリートメントオイルを使います。精油を原液のまま肌へ付けず、ボディ用とフェイス用で異なる使用量を守ることが基本です。作ったオイルは、ハンドトリートメントやフットトリートメントに利用できます。
利用法が変わると注意点も変わる
同じ精油でも、空間へ広げる場合、湯へ入れる場合、蒸気とともに吸い込む場合、肌へ使う場合では注意点が異なります。
- 芳香浴では、換気を行い、部屋の広さや香りの強さに合わせて精油量を調節します。人が集まる場所では、自分の好みだけでなく周囲にも配慮します。
- 沐浴では、精油を無水エタノールによく混ぜてから湯へ加えます。精油は水に溶けないため、原液を浴槽へ直接垂らす方法は適切ではありません。
- 吸入法とフェイシャルスチームは、咳やぜんそくの症状があるときには行いません。蒸気が刺激となり、咳を誘発する可能性があるためです。
- トリートメントでは、精油を必ず植物油で希釈してから肌へ使います。
たとえば、咳をやわらげようとして蒸気吸入を行うのは、一見目的に合うように思えても不適切です。咳が出ているときは吸入法を控えます。このように、利用目的だけで判断せず、その方法に固有の条件まで確認することが大切です。
精油は多く使えばよいわけではない
精油には刺激の強い成分が含まれる場合があり、使用量を増やしても効果が高まるとは限りません。
ラベンダー精油の濃度による違いを調べた実験では、0%・0.1%・10%の場合と比べ、1%濃度で香らせた場合に集中力が最も高まることが示唆されました。また、精油10種の皮膚刺激を調べた実験では、3%以上で濃度が高くなるにつれて肌状態の悪化例が増えました。これらは特定の条件下で行われた研究の結果ですが、「効果を高めたいから目安より多く使う」という考え方が適切でないことを理解する手がかりになります。
精油を肌へ使う場合は肌の状態に合わせて低濃度から試し、それぞれの利用法に示された使用量を守りましょう。
各論で詳しく学ぶ
この記事では、7つの利用法の違いと選び方を扱いました。材料の分量、詳しい手順、方法ごとの注意点は、次の各論で学びます。
