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女性ホルモンの変化とアロマテラピー|心身をいたわるセルフケア

女性ホルモンの分泌は、月経周期だけでなく、思春期から性成熟期、更年期へと年齢を重ねる中でも変化します。そのため、心身の状態がいつも同じではないことを知り、その日の調子に合わせて休息やセルフケアを選ぶことが大切です。

アロマテラピーは、女性ホルモンそのものを調節する治療法ではありません。香りを楽しむ、肌へ触れるケアを行うといった方法で、変化に伴う心身をいたわるために取り入れます。まず2種類の女性ホルモンの働きを知り、そのうえでアロマテラピーにできることを考えていきましょう。

2種類の女性ホルモンとその働き

女性ホルモンとして学ぶのが、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)です。どちらも月経周期や妊娠に関わりますが、働きは同じではありません。

エストロゲン

エストロゲンは、思春期の二次性徴に関わり、月経周期では妊娠の準備に向けて子宮内膜を増殖させます。また、骨を丈夫に保つ、血中コレステロールの増加を抑える、皮膚や粘膜の乾燥を防ぐといった働きにも関係しています。

「エストロゲン」は複数のホルモンの総称です。検定では、まず女性のライフステージと月経周期に広く関わるホルモンとして、その働きを捉えます。

プロゲステロン

プロゲステロンは、エストロゲンの作用で厚くなった子宮内膜を、受精卵が着床しやすい状態に整えます。妊娠の維持に関わるほか、月経周期では基礎体温の上昇にも関係します。

2種類のホルモンは、常に同じ量で分泌されるわけではありません。月経周期の中で増減し、それに伴って卵巣と子宮内膜も変化します。月経周期の詳しい仕組みは、今後公開する「月経周期と女性ホルモン」の記事で扱います。

年代とともに変わるエストロゲンの分泌

エストロゲンの分泌量は10歳頃から増え、20~30代に高い時期を迎えます。その後、40代後半以降の閉経前後には、分泌量が大きく変動しながら低下していきます。

閉経の前後約10年間は更年期と呼ばれます。この時期に見られる心身の不調には、エストロゲンの変動や低下だけでなく、体質やその人を取り巻く生活環境なども関係し、現れ方には個人差があります。年齢だけで状態を決めつけず、つらい症状を「仕方のない変化」として我慢しないことも大切です。

栄養、運動、休息、睡眠は、年代を問わず心身の健康を支えます。無理な食事制限や睡眠不足が続いている場合は、香りを加えることだけでなく、生活全体を見直す視点も必要です。

アロマテラピーは心身をいたわる方法として

香りの情報は嗅覚を通して脳へ伝わり、感情に関わる大脳辺縁系や、内分泌系の調節にも関わる視床下部とつながっています。ただし、このつながりがあることと、特定の精油が女性ホルモンの分泌を調節することは同じではありません。

アロマテラピーでは、心地よいと感じる香りを楽しむことや、トリートメントで自分の身体へやさしく触れることを、気分転換や休息の時間に取り入れられます。ストレスとの付き合い方はストレスとアロマテラピー、休息と睡眠については睡眠とアロマテラピーで詳しく説明しています。

不安や気分の落ち込み、月経に伴う痛みなどが強いときは、アロマテラピーだけで対処せず、必要に応じて医療機関へ相談してください。

心地よく過ごすための2つの配合例

公式テキストでは、女性ホルモンの変化に伴う心身のケアに取り入れる香りとして、ボディオイルとバームの配合例が示されています。以下の数字は精油を組み合わせる割合であり、そのまま使用する滴数ではありません。基材の量と用途に合った総滴数を、作り方の記事で確認してから使用します。

下腹部のケアに用いるボディオイル

月経時に下腹部をやさしくケアする例です。精油を原液のまま塗らず、植物油で用途に合う濃度へ希釈します。基材の分量、総滴数、混ぜ方はトリートメント法で確認してください。痛みが強いときには無理にトリートメントを行いません。

気分をいたわるバーム

イライラや不安を感じるときに、香りを楽しむための配合例です。この組み合わせが女性ホルモンを調節するという意味ではありません。アロマクリームの作り方では、植物油とミツロウを湯せんして固める基本工程を確認できますが、掲載されているクリームは精油の種類と分量が異なります。この配合例だけでは基材量と総滴数が決まらないため、そのまま作れるレシピとしては使用しないでください。顔へ使用する場合、精油濃度は0.5%以下とします。

月経痛とアロママッサージの研究 ⚪参考

月経困難症の痛みがある助産学生・看護学生44人を対象に、下腹部へのマッサージを調べた研究があります。3回の月経期間にわたって実施され、1回目はマッサージを行わず、質問紙で痛みの段階を自己評価しました。2回目と3回目には、同じ施術者が同じ時間帯に15分間の下腹部マッサージを行い、施術後の痛みを評価しました。

この研究では、マッサージ後に痛みの強さが有意に低下し、ラベンダー精油を用いたアロママッサージでは、精油を使用しないマッサージよりも痛みが有意に軽減したと報告されています。

これは特定の参加者と条件で得られた結果です。精油が女性ホルモンを調節したことを示す研究ではなく、すべての月経痛に同じ結果を保証するものでもありません。月経痛には治療が必要な病気が隠れていることもあるため、強い痛みや続く不調は医療機関へ相談しましょう。

安全にセルフケアを続けるために

精油を肌へ使うときは、原液塗布を避け、使用部位に合った濃度へ希釈します。初めて使う精油やクラフトは少量から試し、刺激や異常を感じたら使用を中止してください。体調、治療中の病気、服薬、妊娠などによって注意が必要な場合があります。詳しくは精油を安全に使うための基本を確認します。

女性ホルモンの変化を知ることは、すべての不調をホルモンのせいにするためではありません。いつもと違う心身の状態に気づき、休息をとる、生活を見直す、香りを楽しむ、医療機関へ相談するといった選択をするための手掛かりになります。アロマテラピーは、その選択肢の一つとして安全に取り入れましょう。

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