アロマスキンケアには、肌に潤いを与えるローション、肌をやわらかくして潤いを保つクリーム、余分な皮脂や毛穴の汚れを落とすクレイパックがあります。同じ「肌のケア」でも、目的と使う素材はそれぞれ異なります。
まずは今の肌にどのようなケアをしたいのかを考え、目的に合うものを選びましょう。詳しい材料の分量と作り方は、それぞれのレシピ記事で確認できます。
3つのスキンケアは目的が異なる
ローション、クリーム、クレイパックは、ケアの目的で区別すると選びやすくなります。
| 種類 | 主な目的 | レシピの特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| ローション | 肌に潤いを与える | 芳香蒸留水などの水性素材が中心 | 日常のケアに取り入れたいとき |
| クリーム | 肌をやわらかくし、潤いを保つ | 植物油とミツロウを使う | 手や身体などの保湿、爪まわりのケアをしたいとき |
| クレイパック | 余分な皮脂や毛穴の汚れを落とす | クレイを水分でペースト状にする | 洗い流す特別なケアを取り入れたいとき |
ローションは潤いを与える水性ケア
ローションは、芳香蒸留水や水を中心に作ります。しっとりタイプにはグリセリンを加え、さっぱりタイプにはグリセリンを使いません。どちらも、精油を無水エタノールによく混ぜてから水性素材を加えるのが基本です。
肌の乾燥が気になるときはしっとりタイプ、軽い使用感を選びたいときはさっぱりタイプというように、好みや肌の状態に合わせて選べます。正確な分量と混ぜる順序はスキンローションのレシピで確認してください。
クリームは潤いを保つ油性ケア
クリームは、植物油とミツロウを温めて溶かし、冷やして固めます。ミツロウは、液体の植物油に硬さを与える素材です。両者の比率を変えると、硬めのハードタイプと、やわらかめのソフトタイプを作れます。
ハードタイプはネイルケアに、ソフトタイプはハンドケアやボディケアに使えます。肌をやわらかくし、潤いを保ちたいときに選ぶケアです。アロマクリームのレシピでは、2種類の配合と湯せんの手順を説明しています。
クレイパックは洗い流すケア
クレイは粘土の一種で、芳香蒸留水を含ませると肌に塗れるペースト状になります。植物油に溶かした精油も加えますが、ローションやクリームとは異なり、余分な皮脂や毛穴の汚れを落として洗い流すことが目的です。
ペーストの硬さは芳香蒸留水の量で調整します。顔に塗ったクレイの端が乾き始めたら、乾燥しきる前にぬるま湯でやさしく洗い流し、その後は化粧水などで肌を整えます。詳しい塗り方と注意点はクレイパックのレシピで確認できます。
素材の組み合わせが仕上がりを変える
3つのレシピは、水性素材、油性素材、固形素材の組み合わせによって異なる形になります。
ローションでは、無水エタノールが精油と水性素材を混ぜる工程を助け、芳香蒸留水や水が液体の基材になります。グリセリンは、しっとりタイプに加える保湿のための素材です。水性素材の性質を詳しく知りたい場合は、水性の素材を参照してください。
クリームでは、液体の植物油にミツロウを加えます。ミツロウが多ければ硬く、少なければやわらかく仕上がるため、素材の比率が使い心地と用途を分けます。クレイパックでは、クレイがペーストの土台となり、芳香蒸留水の量が塗りやすい硬さを左右します。植物油、ミツロウ、クレイそのものの種類や特徴は、植物油とその他の素材で詳しく学べます。
肌に使うものだから安全と衛生を優先する
精油は原液のまま肌につけず、レシピで定められた分量を守って希釈します。顔に使う場合は特に低い濃度が必要です。精油を増やしても、よりよいスキンケアになるわけではありません。希釈の考え方と滴数の求め方は、希釈濃度の基本と滴数計算で確認できます。
赤み、かゆみ、刺激などの異常を感じた場合は使用を中止します。精油を目に入れず、目や口の周囲を避けて使います。体調や年齢などによる注意は、精油を安全に使うための基本で確認しましょう。
手作りするときは、手指、器具、容器、作業場所を清潔にします。水を含むローションは保存できる期間が短く、クレイパックは保存せず1回で使い切ります。クリームを湯せんするときは、やけどと水の混入に注意し、ミツロウが付着した器具は固まる前に拭き取ります。保存方法と使用期間の目安は手作りするときの衛生管理と保存で確認できます。
芳香植物が肌のケアに使われてきた歴史
芳香植物は古くから肌のケアにも用いられてきました。たとえば、ジャーマンカモミール精油は肌荒れに、フランキンセンス精油はエイジングケアに使われてきたといわれています。
中世ヨーロッパの修道院では薬草が栽培され、植物を用いたさまざまな方法が受け継がれました。現在も、ネロリやローズなどの芳香蒸留水は、ローションなどのスキンケアに用いられています。
こうした歴史的な利用とは別に、現代では香りと肌の関係も研究されています。ローズの香りを嗅ぐことと、肌のバリア機能や潤いとの関係を調べた報告もあります。
ハンガリアン・ウォーターの伝承
14世紀ごろ、ハンガリーの王妃に献上されたローズマリー水は、「若返りの水」として知られるようになりました。このハンガリアン・ウォーターを用いた70代の王妃がポーランドの王子から求婚されたという話も伝承として伝わっています。
作りたいケアのレシピへ
作るものを決めたら、スキンローション、アロマクリーム、クレイパックの各レシピで、材料、分量、工程、注意点を確認しましょう。